公共用水域

水質汚濁防止法において,公共用水域とは河川,湖沼,港湾,海岸,海域その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠,かんがい用水路その他公共の用に供される水路をいうと定義されています.水質環境基準は公共用水域を対象とするものです.

水質汚濁防止法第2条 
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO138.html

人の健康の保護に関する環境基準

水質環境基準は正確には「水質汚濁に係る環境基準」という名称で,環境庁告示第59号で昭和46年12月28日に定められ,その後改正がたびたび行われてきています.
 公共用水域の水質汚濁に係る環境基準には,「人の健康の保護に関する環境基準」と 「生活環境の保全に関する環境基準」があります.
 人の健康の保護に関する環境基準は,人の健康に有害な物質について,全公共用水域につき,水質環境基準の別表1に全国一律に定められています.基準値は年間平均値とされていますが,全シアンに係る基準値については ,急性毒性のため最高値とされています.
 これらについては,設定後直ちに達成され,維持されるように努めるものとされています.また,科学的な判断の向上等により見直しされることになっています.
 
環境省HP水質汚濁に係る環境基準
http://www.env.go.jp/kijun/mizu.html

生活環境の保全に関する環境基準

 水質環境基準は正確には「水質汚濁に係る環境基準」という名称で,環境庁告示第59号で昭和46年12月28日に定められ,その後改正がたびたび行われてきています.
 公共用水域の水質汚濁に係る環境基準には,「人の健康の保護に関する環境基準」と 「生活環境の保全に関する環境基準」があります.
 生活環境の保全に関する環境基準は,各公共用水域につき,水道,水産,農業等の利用目的により,水質環境基準の別表2に水域類型ごとに,基準値が定められています.項目は水質汚濁の指標として定められています.
 亜鉛については水生生物への影響の観点から定められています.水域の類型の当てはめは原則として知事により行われています.
 基準値は日間平均値として定められていますが,亜鉛は年間平均値となっています.

環境省HP水質汚濁に係る環境基準
http://www.env.go.jp/kijun/mizu.html

 要監視項目と指針値

 人の健康の保護に関連する物質ではありますが,公共用水域等における検出状況等からみて,現時点では直ちに環境基準健康項目とせず,引き続き知見の集積に努めるべきと判断された物質.環境基準健康項目の候補です.基準は基準値の代わりに指針値として設定しています.要監視項目となると知事が監視しなければならなくなり,地方交付税でその費用を交付しています.

 厚生労働省令の水道供給水の水質基準

 供給する水道水の水質基準として人の健康や飲用の観点から46項目設定されています.井戸水や飲料水の基準ではありません.
 省令等が平成15年に大幅に改正され,削除追加があり50項目となり,平成16年4月1日に施行されます.項目によっては水質汚濁の指標として設定されています.
 改正後の基準では測定方法が公定法になりました.

厚生労働省健康局水道課
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/index.html
水道水の新しい水質基準等の制度の制定・改正
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/index.html http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/seido.html

水道水の水質管理目標設定項目・目標値,要検討項目・目標値

 水質基準に関する省令(厚生労働省令第101号)が平成15年5月30日に制定されました。一部を除き平成16年4月1日に施行されます。それに関連して次の水質管理目標設定項目等が定められました。

 厚生労働省水道課ホームページ 新しい水質基準等について
   http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/

水質管理目標設定項目(厚生労働省の通知(平成151010)日抜粋)

 将来にわたり水道水の安全性の確保等に万全を期する見地から、水道事業者等において水質基準に係る検査に準じて、体系的・組織的な監視によりその検出状況を把握し、水道水質管理上留意すべき項目として「水質管理目標設定項目」を定めた。「水質基準項目」及び「水質管理目標設定項目」という新しい体系に基づき水道、水質管理を行う。
 水質管理目標設定項目のうち農薬類については、「総農薬方式」により水質管理目標設定項目に位置づける。

  厚生労働省水道課ホームページ 水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等について(平成151010日健発第1010004号)(本文 (PDF28KB))
     http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/dl/kyokutyou.pdf

要検討項目・目標値(水質基準の答申(厚生科学審議会平成15428日)の抜粋)
 要検討項目は審議会の答申で今後検討すべき項目としてリストアップされたものであって,厚生労働省として公表しているものではないです.逐次改正にあたっては、評価のための知見が不足している要検討項目を中心に、水質基準、水質管理目標設定項目やその他の項目で更に検討を要する項目を対象として、今後、引き続き最新の科学的知見を集積し、必要に応じてその取り扱いを見直しします.水質基準の答申に要検討項目および目標値が載っています.


厚生労働省水道課ホームページ 厚生科学審議会の経過・資料等について
    http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/shingikai.html

XI.今後の課題
     http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/04/dl/s0428-4m.pdf
     別紙1水質基準等の改正案
    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/04/dl/s0428-4n.pdf

 WHOの水質基準

国連の専門機関として設立された世界保健機関(WHO)で,有害物質についての毒性等のデータを豊富に有しています.日本ではWHOのデータを環境基準の健康項目の設定の根拠として利用しています.

世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/en/

WHO Water, Sanitation and Health
http://www.who.int/water_sanitation_health/en/

水域類型

公共用水域ごとに水質汚濁の程度と利用目的により類型をAA,A〜Eを定めています.生活環境の保全に関する環境基準参照.

環境省HP水質汚濁に係る環境基準http://www.env.go.jp/kijun/mizu.html

PRTR

 PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)=化学物質排出移動量届出制度とは,有害性のある多種多様な化学物質が,どのような発生源から,どれくらい環境中に排出されたか,あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し,集計し,公表する仕組みです.

環境省HP PRTR:化学物質排出移動量届出制度
http://www.env.go.jp/chemi/prtr/risk0.html